明日、竹達彩奈が滅びるとしたら、今日、何をやるだろう。
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メインで取り上げる「今日の一曲!」は、『となりの吸血鬼さん』OP曲・ソフィー・トワイライト(CV:富田美憂)、天野灯(CV:篠原侑)、夏木ひなた(CV:Lynn)、エリー(CV:和氣あず未)による「†吸tie Ladies†」(2018)です。
楽曲制作を手掛けたのは園田健太郎(別名義:園田智也、木村有希)さんで、氏のお名前を当ブログに出すのは本記事が初となりますが、クレジットに言及しない形のレビューであれば、で取り上げた「しあわせ色」(2017)と、で紹介した「Shocking Blue」(2017)のものが過去に存在します。加えて、曲名を出しただけですがでふれた「ニホンゴワカリマセン」(2016)も、園田ワークスに於けるお気に入りナンバーです。
他に個人的に馴染みがある楽曲(作詞のみは除く)としては、「指望遠鏡」(2012)、「最低で最高のParadiso」(2015)、「fantastic dreamer」(2016)、「Starring!!」(2016)、「グルテン哀歌」(2016)、『NEOGENE CREATION』(2016)の収録曲、『Princess♡Limited』(2017)の収録曲、「Torchlight~夢の灯り~」(2017 *音源リリースは未だなし)、「青春とは?」(2018)、「いつか世界が変わるまで」(2018)などが挙げられます。このラインナップで好みなのは、「最低で~」「グルテン~」「Torchlight~」の3曲ですかね。
知っている範囲でなるべく多くの曲名を例示してみましたが、これをもって伝えたいのは「園田さんの幅広いトラックメイキング力」で、共通の音楽性や特徴を見出すのが難しいほどに楽曲のタイプが多岐に亘っていることを、まずは頭に入れておいてほしいとの意図があります。
上掲以外にも有名作品への楽曲提供が多くあるので、より適切なリファレンストラックが別に存在するかもしれないと断っておきますが、本曲「†吸tie~」を敢えて過去の園田ワークスと絡めて表現するならば、「Shocking~」と同系統の良さを備えたナンバーであるとの認識です。先にリンクした同曲のレビュー文の中では、「ブラスアレンジによる絢爛さ」や「なかなかお洒落なナンバー」といった形容を用いていますが、これらに近い感想を抱いたことになります。
本曲にはブラスが登場するわけではないので、際立っているのは鍵盤とリズム隊によるサウンドだと補足は必要ですが、それらが「絢爛」や「お洒落」なイメージを携えている点では、共通のファクターを見出せるのではないでしょうか。この方向性は、歌詞に”星空の下はダンスホール”と出てくることからも推測可能なように、「ナイトパーティーで奏でられているような音楽」を着地点としているからだと思いますが、そう考えると「可能性としてブラスが出てきてもいい楽想」を下敷きにしているとも言え、これが「同系統」と表したことの理由になります。
補強のために異なるクリエイターの手に成る楽曲で説明を加えますと、『ブレンド・S』のOP曲は、前述したようなエッセンスを有した上でブラスが取り入れられているトラックの例です。使用楽器の差はあれど両者は近しい位置にあるとの理解で、実際「†吸tie~」のラスサビ前の間奏部は「ぼなぺてぃーと~」のサビとマッシュアップが出来そうというか、ピアノが奏でているラインが後者のサビメロ冒頭に似ていると感じたくらいなので、どちらも趣味に合う方が多いのではと予想します。
編曲上のツボをもう少し具体的にしますと、「際立っているのは鍵盤」と述べたように、全編を通してピアノの自由闊達さが印象的です。リズムをお利口に担っているセクションもあれば、ジャジーに暴れ出すパートもあって、楽曲に多彩な趣を付与していると言えます。個性の異なる吸血鬼2名と人間2名が共に歌い上げるナンバーとして、鍵盤による豊かな表現力が巧みに利用されていて、素晴らしいと評すほかありません。
また、「リズム隊」云々はバンドサウンドの面を取り立てたもので、主にベースの格好良さに対する称賛です。脇役に甘んじないメロディアスなラインがプレイされていて、Aメロ後半(”真っ暗な空にはお月様”~)のファンキーさで存在感を強めてくるところや、Dメロ(”一緒に歩く このスピード”~)でボーカルラインと呼応するように副旋律然とした役割をこなし始める部分、ラスサビ後半(”†吸tie Ladies† そうさバンパイア!”~)から一層の疾走感を纏ってクライマックスを演出している点など、裏に埋没したままでは終わらせないぞという、低音へのこだわりが冴え渡っています。
続いてはメロディの掘り下げです。”(Chu! Chu! Chu!)”から始まるフック(用語の詳細は)のラインが、歌詞も含めて本曲の中では最も耳に残るパートだと思いますし、「可愛い系」の根拠にしているのもそこではあるのですが、より特筆性があるのはサビメロの可憐さだと主張します。
先述のアレンジに於ける妙;絢爛でお洒落でナイトパーティーの感があるバックトラックに相応しく、ハッピーな旋律に仕上がっているのが素敵で、’cutie’との掛詞が巧い”We are the†吸tie Ladies†”という歌詞通りの、キュートネスとフォーマリティ(’girls’ではなく’ladies’であるのも判断材料)が兼ね備えられているところを絶賛したい。そこからフワフワと舞い上っていくような浮遊感を漂わせた”なんてワンダフル”へ移行し、絶妙な力加減によるコーラス「fu! fu!」を挟んで、グルーヴィーに身体を揺らしたくなる”星空の下はダンスホール”へと展開していく、このメリハリのある音運びに心地好さを覚えます。
あとはワンノートで突き進むCメロ(”午前三時過ぎに流れ星が降る”~)も、ここまでの流麗さから急にフラットになるギャップが上手に活かされていて好みです。
メロディに限らない言及となるため
回しにしましたが、フック(”Chu!”を含むセクション)の魅力にも迫っていきます。注目したいのは、[ちゅ]という音の響きが持つ楽曲上の効能です。これについては(『アニメガタリズ』の項)にも一度記したことがあり、要旨は「聴いていてちょっと恥ずかしくなってしまうようなところが逆にいいよね!」といったものでした。楽曲の例示もあるので、詳しくはリンク先をご覧ください。
この観点で本曲の”Chu!”に向き合ってみると、[ちゅ]が連呼されているにも拘らず、お洒落にまとまっていると感じられるので、寧ろ例外的だと認識しています。この理由は前述した精緻なアレンジによるトラックメイキングや、ボーカルライン自体のポップセンスなどにも求めることが可能でしょうが、最たるものは「題材が吸血鬼であること」ではないでしょうか。[ちゅ]に何処か小恥ずかしさが滲むのは、偏にキスを連想させるからだとの前提に立てば、続く”吸っちゃうぞ”に示されている通り、本曲の”Chu!”は吸血行為の意味合いが大きい(それも見た目だけなら少女 to 少女の)と受け取れるため、このワンクッションで生々しさのベクトルが生理現象=仕方のないことに傾いて、聴き易さにつながっているのだと分析します。
こう書いてから頭の中に反例として、同じく吸血鬼モノである『月詠 -MOON PHASE-』のOP曲が浮かんだのですが、同曲の歌詞には”KISS”が出てくるものの、[ちゅ]は出てこないためセーフとさせてください。同曲については反対に、[ちゅ]を使わずに相当の小恥ずかしさを付せているのが美点です。また、記事の性質上アニソンに絞って紹介してきましたが、一般のヒット曲からは榊原郁恵の「夏のお嬢さん」(1978)と大塚愛の「CHU-LIP」(2007)を、[ちゅ]の魔力を効果的に活かした楽曲として例示しておきます。
最後は歌詞内容にふれて〆です。ユニークなのはやはり吸血鬼要素で、フックの”吸っちゃうぞ/やっぱり/夜行性/一番です”(注:コーラスを除いた引用)や、1番Bの”きっと本当の気持ちは 鏡には映らない”などは、種族としての特性が落とし込まれていて上手いです。
2番Bの”夜に起きて昼寝る そんな存在がいてもいい”の肯定感に代表されるように、常道の理から外れていることをネガティブに描いていないのも好印象で、”さあ午前二時をまわりました/寝てる人誰ですか?”と、通常であれば可笑しい問い掛けが成立してしまうのも吸血鬼ならではと言えます。それでも脅威には振れず、”ひそやかな一般市民です”と歌われているところに、本作の優しく現代的な世界観が反映されていて素敵です。
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続いて紹介するのは『うちのメイドがウザすぎる!』OP曲・高梨ミーシャ(CV:白石晴香)&鴨居つばめ(CV:沼倉愛美)による「ウザウザ☆わおーっす!」(2018)です。
アーティスト名からはデュエット曲のような印象を受けますが、実質的にはミーシャのソロ曲と言っていい内容で、つばめは主にウザい熱心な合いの手を入れる役割を担っています。後の記事でレビューしますが、同作のED曲では両人の分担量が逆転しているので、主題歌全体としてのバランスは取れているとの判断です。
先にちょっとした作品語り…というか余談を披露しますが、漫画の原作者である中村カンコさんによる過去作『しょーがくせれぶ』は以前に電子書籍で買ったことがあったので、相変わらず趣味全開だなと思いました。
まさかの実写MVと圧の強いサムネにつっこみたい気持ちはひとまず引っ込めて、「可愛い系」にフォーカスしたレビューを展開していきます。変な意味ではなく、本曲はミーシャの幼女らしさが際立っているところが素晴らしいので、白石さんの高い演技力を称賛したいです。同時期に放送されていた『ゴールデンカムイ』(第2期)のアシㇼパや、以降で紹介する『アニマエール!』の牛久花和と比較すると、演じ分けの妙が理解しやすいかと思います。
特に気に入っているのは発声のたどたどしさで、中でもサビの”楽しくなれたらいつか”の”なれたら”が「なぇたら」に聴こえる箇所は、語中の(母音に挟まれた)ら行子音として歯茎はじき音が出現し得る場面で、舌端が歯茎に届かずふるえ音に近くなっている(本来日本語には出てこない音なので捨て仮名で表現しました)ところに、ロシア系JSっぽさが感じられて好みでした。敢えて解析的に書きましたが、要は舌足らずの「れ」が可愛いというだけの話です。
作編曲の観点では、緩急を活かしたつくりとなっている点を評価します。ロシア語が取り入れられたキャッチーなフック(”わおーっす!”~)による幕開けで文字通りつかみはばっちり、続くAメロは徐々にバンドサウンド;主にギターとドラムスによるスピーディーなビート感が顕になっていくアッパーなアレンジが、宛ら上昇していくミーシャのウザウザボルテージのようです。
この流れを受けて歌詞に直接”ウザいっ”が登場するBメロは、つばめの応答分(”ウザい?”)も含めて様々な不満へのリアクションを堪能出来るパートですが、ここまでに積み重ねてきた熱量は一旦クールダウンさせられている印象で、それはかっちりとした演奏に変化しているところにも表れていると言えます。またもミーシャの心情に喩えるならば、つばめをなるべくやり過ごして冷静でいようとする姿勢が反映されたセクションであるとの理解です。しかしその我慢も愈々限界に達し、色々と含蓄のある”オトナよ、オトナになれ!”のお叱りをバックにしながら、楽想は再びアッパーな向きを取り戻してサビへとなだれ込みます。
ピロピロしたシーケンスフレーズも入ってより疾走感を増したサビは、そのサウンドとは裏腹に旋律には何処か切なさが混じっているように感じられました。これは言わばミーシャのデレ要素で、歌詞の”わたしのことをもっと ちゃんとわかってよ”や、”楽しくなれたらいつか 変わ
ような気がするけどね”で示されているように、出来れば仲良くしたいという素直な子供心に寄せた絶妙なメロディラインであると、尊い解釈を載せておきます。…まぁそれは、結びの”……ちがう気のせいだ!”で再びフックに戻る展開から察せる通り、儚く一時的なデレですけどね。笑
作詞はご存知畑亜貴さんによるもので、難しい表現を使わずに核心を衝いてくる手腕は、本曲でも存分に振るわれています。先の”オトナよ、オトナになれ!”もその一例で感動すら覚えたほどですが、他にも”アイじゃない 侵略でしょ”の本質を捉えた指摘や、百人一首からの引用であろう”(色にいでちゃうのです!)”による鮮やかな返しもお気に入りのフレーズです。
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お次は『アニマエール!』の主題歌をまとめてレビューします。まずはOP曲・神ノ木高校チアリーディング部 - 鳩谷こはね(CV.尾崎由香)/ 有馬ひづめ(CV.山田唯菜)/ 猿渡宇希(CV.井澤美香子)/ 舘島虎徹(CV.楠木ともり)/ 牛久花和(CV.白石晴香)による「ジャンプアップ↑エール!!」(2018)から。
同曲については今回の振り返りので一足先に取り上げていて、「チアを題材としたナンバー」を語る中で好例として例示したわけですが、そこに記した「突き抜け」の概念はチア楽曲に於いて重要なものなれど、ここに再掲するには関連記述が長過ぎるため、お手数ですが詳細はリンク先を参照していただければ幸いです。以降に出てくるギリシア文字が意味するところも、当該記事の内容に準拠します。
ということで、用語の説明をすっ飛ばした全体評のみ引用しますが、『αを積み重ねて展開しつつも、サビの”盛り上がる気持ち”から続くラインはβ(正確には”One for all”~の部分はαの混合タイプ)なので、同種の「突き抜け」を抱くナンバーである』と述べているように、セクション毎の華麗な転身が実にチアらしい縦横無尽さを携えていて好みです。この簡単なまとめで本曲の良さを端的に伝えたこととしますが、これで言及を終えてしまうとわざわざピックアップした意味に欠けるので、以降では細かいツボを紹介していきます。
アレンジ面ではAメロ裏のブラスがお気に入りです。スウィングしたくなるようなグルーヴ感もさることながら、ベロシティが丁度好いと言いましょうか、耳に飛び込んでくる音の均整にイヤガズムを覚えます。
そもそもブラスが取り入れられていること自体に好感触で、このサウンドスケープはチアオンリーというよりは、吹奏楽やブラスバンドも含めた「応援団」を意識したものだと推測しますが(この点では振り返りのに書いた「応援のファクター」も参考になるかも)、仮にチアだけでビートメイキングを行おうとすると、リズムはクラップとホイッスルで取る発想になると思うんですよね。
クラップを外す選択は流石に王道から逸れてしまうからか、本曲もA裏に限らず随所で効果的に取り入れられていますが、メインに据える気鳴楽器に関しては、ブラスをチョイスしたことが功を奏していると分析出来ます。補足ですが、ホイッスルはホイッスルでその役割がきちんと活かされる場所に配置されており、フックやサビ前の”Jump up Cheers!”を含むパートや、サビ後半の”ファイト”から続く部分など、αのセクションでしっかりと鳴り響いています。
メロディ面ではサビの”We are Cheers let’s go!”が、一度目は上昇/二度目は下降のラインになっている対比が素敵です。前者は期待通りのポップさが心地好く、”(Fufu!)”が自然に出てこれる流れを形成している点がキャッチーで、後者はここで翳った旋律に変化する意外性と、このタメによって”ファイト”以降の盛り上がりが一層映える音運びとなっているところが技巧的で、それぞれ楽想上の意味は大きいと見ています。
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続けて同作のED曲、同じく神ノ木高校チアリーディング部による「One for All」(2018)をレビュー。曲から受ける印象には「切ない系」の向きもあるのですが、上掲のED映像も込みで「可愛い系」での紹介とします。
トラックメイキングを手掛けたのは本田正樹さんで、個人的には『Tokyo 7th シスターズ』の関連楽曲で既にファンだと言えるクリエイターです。当ブログで初めてお名前を出したのは(「SHAKE!! ~フリフリしちゃえ~」の項)にてですが、それより前の『ナナシス』記事でも氏のワークスを絶賛していて、、、と、お気に入りが多くあります。
このように既知の楽曲はそれなりにあれど、作曲家像を描写するにはサンプル数が少ないため(『冴えない彼女の育てかた♭』のED曲や『信長の忍び~姉川・石山篇~』の主題歌も知ってはいますが)、あくまでもその一端を記すのみとなりますが、繰り返し聴きたくなるような中毒性を残すことに長けていらっしゃるイメージです。
本曲で言えば、サビとそれに続くコーラスパート(”We can do it now,”~)自体のノリの良さもそうですが、そこから何処となく90年代風の趣があるシンセリフ(e.g. 1:28~1:41)に移行して、これがサビメロを変形したものであることによる連続性でもって、止め時を逸してしまう感覚を「中毒性」と形容しました。共感を得られるかはわかりませんが、エクササイズに使われる楽曲のような反復的なグルーヴが気持ち好いと換言しても構いません。
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ここからは「中身の濃いレビューには発展させられそうにない曲」をまとめて紹介します。こう書くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、スペースを作ってまで紹介しようと思うくらいにはお気に入りの楽曲群であることに留意してください。「発展させられそうにない」のは、僕の技量不足&時間不足によるものです。
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『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』3rd ED曲・SILENT SILEN「Go Way!」(2018)。振り返りのでは同作のOP曲をレビュー済みで、簡単にではありますが作品評はそちらに載せています。
本曲はED映像も込みで、子供サイドのヒロイン(?)であるJSユーチューバー・上田アズサがメインで扱われているため、普段の作品内容からすると異質なナンバーかもしれません。ゆえに「可愛い系」での紹介となるわけですが、CVを務めている竹達彩奈さんによるものではなく、サイサイの楽曲を持ってきたことも意外だなという感想です。
サイサイは今までにも幾度か聴いてみようと思ったことはあったものの、何となく機会を逸し続けてきていたので、音源でまともに聴いたのは本曲が初だったのですが、こんなに甘い声&歌い方だったっけ?と予想外に感じました。浅いリスナーの意見と流して結構ですが、言葉を選ばなければ「媚び媚び」と形容出来るほどのボーカルの質が、アズサのキャラクターとマッチしていたため、悪くないタイアップだったと思います。
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『ソラとウミのアイダ』キャラクターソング・ルビー・安曇(CV:井上ほの花)「Bad Vinny & Martian」(2018)。後の記事で取り上げますが、同作のOP曲目当てで手を出した上掲のボーカルソング集の中では、本曲に光るものを感じました。2分に満たない短いトラックなんですけどね。
便宜的にルビーのキャラソン扱いにしましたが、曲名が示しているように、正確には劇中劇の主題歌としたほうが据りがいい内容です。詳しい設定は失念しましたが、確か怪盗モノのアニメだと説明されていた気がするので、サウンドやメロディラインには王道の格好良さが宿る仕上がりとなっています。
しかし井上さんの声質のキュートさと、コーラスというか合いの手の力の抜け加減が絶妙で、「カラオケで盛り上がった感」が醸されているところが好きです。中でもクセになるのは、”(びっくりだ~)”、”(かわいい~)”、”(昭和か~?)”あたり。ネームバリューによる贔屓目も少しありますが、流石広井王子さんによる作詞です。
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『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』OP曲・ピュアリーモンスター「Secret Story」(2018)。ある意味では話題となったアニメですが、残念ながら僕は途中で切ってしまいました。しかし主題歌は良さげだった記憶があったのと、本記事のメインで取り上げた楽曲のレビュー中に記した、「[ちゅ]を活かした楽曲」の補足に使えるので、ついでに紹介しようという選曲理由です。
”(Chu Chu I LOVE YOU Chu Chu)”と、ダイレクトにキスにつながる[ちゅ]の利用が認められますが、ラブコメ作品の主題歌であることと、声優アイドルグループによるナンバーであることを考慮すれば、この上なく適切な可愛いアウトプットだと評せます。サビの歌詞も”好き好き大好き!! 世界一好き!!”で始まる直球さで、続く”ホントは大声で叫びたいよ”で一歩引いてはいるものの、ここまで振り切っていると恥ずかしさは些細なこととして奥に押しやられしまうのかもしれませんね。
こうして改めて聴くと、表面的な可愛さの裏に味わい深さのある良い曲だなと感じたのですが、クレジットを見て作編曲がno_myさんだとわかり納得しました。当ブログに於ける氏のワークスについては、とに言及があります。
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以上、【’18秋アニメ・アニソン(可愛い系)編】でした。過去の【(可愛い系)編】も似た傾向にありますが、ぱっと聴いた印象が可愛いものでも、その中に格好良さや切なさを見出すとそちらを優先しがちになるので、結果として「可愛い系」での紹介曲数は少なくなりますね。
竹達彩奈 どっしりと ふっくらと
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メインで取り上げる「今日の一曲!」は、『となりの吸血鬼さん』OP曲・ソフィー・トワイライト(CV:富田美憂)、天野灯(CV:篠原侑)、夏木ひなた(CV:Lynn)、エリー(CV:和氣あず未)による「†吸tie Ladies†」(2018)です。
楽曲制作を手掛けたのは園田健太郎(別名義:園田智也、木村有希)さんで、氏のお名前を当ブログに出すのは本記事が初となりますが、クレジットに言及しない形のレビューであれば、で取り上げた「しあわせ色」(2017)と、で紹介した「Shocking Blue」(2017)のものが過去に存在します。加えて、曲名を出しただけですがでふれた「ニホンゴワカリマセン」(2016)も、園田ワークスに於けるお気に入りナンバーです。
他に個人的に馴染みがある楽曲(作詞のみは除く)としては、「指望遠鏡」(2012)、「最低で最高のParadiso」(2015)、「fantastic dreamer」(2016)、「Starring!!」(2016)、「グルテン哀歌」(2016)、『NEOGENE CREATION』(2016)の収録曲、『Princess♡Limited』(2017)の収録曲、「Torchlight~夢の灯り~」(2017 *音源リリースは未だなし)、「青春とは?」(2018)、「いつか世界が変わるまで」(2018)などが挙げられます。このラインナップで好みなのは、「最低で~」「グルテン~」「Torchlight~」の3曲ですかね。
知っている範囲でなるべく多くの曲名を例示してみましたが、これをもって伝えたいのは「園田さんの幅広いトラックメイキング力」で、共通の音楽性や特徴を見出すのが難しいほどに楽曲のタイプが多岐に亘っていることを、まずは頭に入れておいてほしいとの意図があります。
上掲以外にも有名作品への楽曲提供が多くあるので、より適切なリファレンストラックが別に存在するかもしれないと断っておきますが、本曲「†吸tie~」を敢えて過去の園田ワークスと絡めて表現するならば、「Shocking~」と同系統の良さを備えたナンバーであるとの認識です。先にリンクした同曲のレビュー文の中では、「ブラスアレンジによる絢爛さ」や「なかなかお洒落なナンバー」といった形容を用いていますが、これらに近い感想を抱いたことになります。
本曲にはブラスが登場するわけではないので、際立っているのは鍵盤とリズム隊によるサウンドだと補足は必要ですが、それらが「絢爛」や「お洒落」なイメージを携えている点では、共通のファクターを見出せるのではないでしょうか。この方向性は、歌詞に”星空の下はダンスホール”と出てくることからも推測可能なように、「ナイトパーティーで奏でられているような音楽」を着地点としているからだと思いますが、そう考えると「可能性としてブラスが出てきてもいい楽想」を下敷きにしているとも言え、これが「同系統」と表したことの理由になります。
補強のために異なるクリエイターの手に成る楽曲で説明を加えますと、『ブレンド・S』のOP曲は、前述したようなエッセンスを有した上でブラスが取り入れられているトラックの例です。使用楽器の差はあれど両者は近しい位置にあるとの理解で、実際「†吸tie~」のラスサビ前の間奏部は「ぼなぺてぃーと~」のサビとマッシュアップが出来そうというか、ピアノが奏でているラインが後者のサビメロ冒頭に似ていると感じたくらいなので、どちらも趣味に合う方が多いのではと予想します。
編曲上のツボをもう少し具体的にしますと、「際立っているのは鍵盤」と述べたように、全編を通してピアノの自由闊達さが印象的です。リズムをお利口に担っているセクションもあれば、ジャジーに暴れ出すパートもあって、楽曲に多彩な趣を付与していると言えます。個性の異なる吸血鬼2名と人間2名が共に歌い上げるナンバーとして、鍵盤による豊かな表現力が巧みに利用されていて、素晴らしいと評すほかありません。
また、「リズム隊」云々はバンドサウンドの面を取り立てたもので、主にベースの格好良さに対する称賛です。脇役に甘んじないメロディアスなラインがプレイされていて、Aメロ後半(”真っ暗な空にはお月様”~)のファンキーさで存在感を強めてくるところや、Dメロ(”一緒に歩く このスピード”~)でボーカルラインと呼応するように副旋律然とした役割をこなし始める部分、ラスサビ後半(”†吸tie Ladies† そうさバンパイア!”~)から一層の疾走感を纏ってクライマックスを演出している点など、裏に埋没したままでは終わらせないぞという、低音へのこだわりが冴え渡っています。
続いてはメロディの掘り下げです。”(Chu! Chu! Chu!)”から始まるフック(用語の詳細は)のラインが、歌詞も含めて本曲の中では最も耳に残るパートだと思いますし、「可愛い系」の根拠にしているのもそこではあるのですが、より特筆性があるのはサビメロの可憐さだと主張します。
先述のアレンジに於ける妙;絢爛でお洒落でナイトパーティーの感があるバックトラックに相応しく、ハッピーな旋律に仕上がっているのが素敵で、’cutie’との掛詞が巧い”We are the†吸tie Ladies†”という歌詞通りの、キュートネスとフォーマリティ(’girls’ではなく’ladies’であるのも判断材料)が兼ね備えられているところを絶賛したい。そこからフワフワと舞い上っていくような浮遊感を漂わせた”なんてワンダフル”へ移行し、絶妙な力加減によるコーラス「fu! fu!」を挟んで、グルーヴィーに身体を揺らしたくなる”星空の下はダンスホール”へと展開していく、このメリハリのある音運びに心地好さを覚えます。
あとはワンノートで突き進むCメロ(”午前三時過ぎに流れ星が降る”~)も、ここまでの流麗さから急にフラットになるギャップが上手に活かされていて好みです。
メロディに限らない言及となるため
回しにしましたが、フック(”Chu!”を含むセクション)の魅力にも迫っていきます。注目したいのは、[ちゅ]という音の響きが持つ楽曲上の効能です。これについては(『アニメガタリズ』の項)にも一度記したことがあり、要旨は「聴いていてちょっと恥ずかしくなってしまうようなところが逆にいいよね!」といったものでした。楽曲の例示もあるので、詳しくはリンク先をご覧ください。
この観点で本曲の”Chu!”に向き合ってみると、[ちゅ]が連呼されているにも拘らず、お洒落にまとまっていると感じられるので、寧ろ例外的だと認識しています。この理由は前述した精緻なアレンジによるトラックメイキングや、ボーカルライン自体のポップセンスなどにも求めることが可能でしょうが、最たるものは「題材が吸血鬼であること」ではないでしょうか。[ちゅ]に何処か小恥ずかしさが滲むのは、偏にキスを連想させるからだとの前提に立てば、続く”吸っちゃうぞ”に示されている通り、本曲の”Chu!”は吸血行為の意味合いが大きい(それも見た目だけなら少女 to 少女の)と受け取れるため、このワンクッションで生々しさのベクトルが生理現象=仕方のないことに傾いて、聴き易さにつながっているのだと分析します。
こう書いてから頭の中に反例として、同じく吸血鬼モノである『月詠 -MOON PHASE-』のOP曲が浮かんだのですが、同曲の歌詞には”KISS”が出てくるものの、[ちゅ]は出てこないためセーフとさせてください。同曲については反対に、[ちゅ]を使わずに相当の小恥ずかしさを付せているのが美点です。また、記事の性質上アニソンに絞って紹介してきましたが、一般のヒット曲からは榊原郁恵の「夏のお嬢さん」(1978)と大塚愛の「CHU-LIP」(2007)を、[ちゅ]の魔力を効果的に活かした楽曲として例示しておきます。
最後は歌詞内容にふれて〆です。ユニークなのはやはり吸血鬼要素で、フックの”吸っちゃうぞ/やっぱり/夜行性/一番です”(注:コーラスを除いた引用)や、1番Bの”きっと本当の気持ちは 鏡には映らない”などは、種族としての特性が落とし込まれていて上手いです。
2番Bの”夜に起きて昼寝る そんな存在がいてもいい”の肯定感に代表されるように、常道の理から外れていることをネガティブに描いていないのも好印象で、”さあ午前二時をまわりました/寝てる人誰ですか?”と、通常であれば可笑しい問い掛けが成立してしまうのも吸血鬼ならではと言えます。それでも脅威には振れず、”ひそやかな一般市民です”と歌われているところに、本作の優しく現代的な世界観が反映されていて素敵です。
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続いて紹介するのは『うちのメイドがウザすぎる!』OP曲・高梨ミーシャ(CV:白石晴香)&鴨居つばめ(CV:沼倉愛美)による「ウザウザ☆わおーっす!」(2018)です。
アーティスト名からはデュエット曲のような印象を受けますが、実質的にはミーシャのソロ曲と言っていい内容で、つばめは主にウザい熱心な合いの手を入れる役割を担っています。後の記事でレビューしますが、同作のED曲では両人の分担量が逆転しているので、主題歌全体としてのバランスは取れているとの判断です。
先にちょっとした作品語り…というか余談を披露しますが、漫画の原作者である中村カンコさんによる過去作『しょーがくせれぶ』は以前に電子書籍で買ったことがあったので、相変わらず趣味全開だなと思いました。
まさかの実写MVと圧の強いサムネにつっこみたい気持ちはひとまず引っ込めて、「可愛い系」にフォーカスしたレビューを展開していきます。変な意味ではなく、本曲はミーシャの幼女らしさが際立っているところが素晴らしいので、白石さんの高い演技力を称賛したいです。同時期に放送されていた『ゴールデンカムイ』(第2期)のアシㇼパや、以降で紹介する『アニマエール!』の牛久花和と比較すると、演じ分けの妙が理解しやすいかと思います。
特に気に入っているのは発声のたどたどしさで、中でもサビの”楽しくなれたらいつか”の”なれたら”が「なぇたら」に聴こえる箇所は、語中の(母音に挟まれた)ら行子音として歯茎はじき音が出現し得る場面で、舌端が歯茎に届かずふるえ音に近くなっている(本来日本語には出てこない音なので捨て仮名で表現しました)ところに、ロシア系JSっぽさが感じられて好みでした。敢えて解析的に書きましたが、要は舌足らずの「れ」が可愛いというだけの話です。
作編曲の観点では、緩急を活かしたつくりとなっている点を評価します。ロシア語が取り入れられたキャッチーなフック(”わおーっす!”~)による幕開けで文字通りつかみはばっちり、続くAメロは徐々にバンドサウンド;主にギターとドラムスによるスピーディーなビート感が顕になっていくアッパーなアレンジが、宛ら上昇していくミーシャのウザウザボルテージのようです。
この流れを受けて歌詞に直接”ウザいっ”が登場するBメロは、つばめの応答分(”ウザい?”)も含めて様々な不満へのリアクションを堪能出来るパートですが、ここまでに積み重ねてきた熱量は一旦クールダウンさせられている印象で、それはかっちりとした演奏に変化しているところにも表れていると言えます。またもミーシャの心情に喩えるならば、つばめをなるべくやり過ごして冷静でいようとする姿勢が反映されたセクションであるとの理解です。しかしその我慢も愈々限界に達し、色々と含蓄のある”オトナよ、オトナになれ!”のお叱りをバックにしながら、楽想は再びアッパーな向きを取り戻してサビへとなだれ込みます。
ピロピロしたシーケンスフレーズも入ってより疾走感を増したサビは、そのサウンドとは裏腹に旋律には何処か切なさが混じっているように感じられました。これは言わばミーシャのデレ要素で、歌詞の”わたしのことをもっと ちゃんとわかってよ”や、”楽しくなれたらいつか 変わ
ような気がするけどね”で示されているように、出来れば仲良くしたいという素直な子供心に寄せた絶妙なメロディラインであると、尊い解釈を載せておきます。…まぁそれは、結びの”……ちがう気のせいだ!”で再びフックに戻る展開から察せる通り、儚く一時的なデレですけどね。笑
作詞はご存知畑亜貴さんによるもので、難しい表現を使わずに核心を衝いてくる手腕は、本曲でも存分に振るわれています。先の”オトナよ、オトナになれ!”もその一例で感動すら覚えたほどですが、他にも”アイじゃない 侵略でしょ”の本質を捉えた指摘や、百人一首からの引用であろう”(色にいでちゃうのです!)”による鮮やかな返しもお気に入りのフレーズです。
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お次は『アニマエール!』の主題歌をまとめてレビューします。まずはOP曲・神ノ木高校チアリーディング部 - 鳩谷こはね(CV.尾崎由香)/ 有馬ひづめ(CV.山田唯菜)/ 猿渡宇希(CV.井澤美香子)/ 舘島虎徹(CV.楠木ともり)/ 牛久花和(CV.白石晴香)による「ジャンプアップ↑エール!!」(2018)から。
同曲については今回の振り返りので一足先に取り上げていて、「チアを題材としたナンバー」を語る中で好例として例示したわけですが、そこに記した「突き抜け」の概念はチア楽曲に於いて重要なものなれど、ここに再掲するには関連記述が長過ぎるため、お手数ですが詳細はリンク先を参照していただければ幸いです。以降に出てくるギリシア文字が意味するところも、当該記事の内容に準拠します。
ということで、用語の説明をすっ飛ばした全体評のみ引用しますが、『αを積み重ねて展開しつつも、サビの”盛り上がる気持ち”から続くラインはβ(正確には”One for all”~の部分はαの混合タイプ)なので、同種の「突き抜け」を抱くナンバーである』と述べているように、セクション毎の華麗な転身が実にチアらしい縦横無尽さを携えていて好みです。この簡単なまとめで本曲の良さを端的に伝えたこととしますが、これで言及を終えてしまうとわざわざピックアップした意味に欠けるので、以降では細かいツボを紹介していきます。
アレンジ面ではAメロ裏のブラスがお気に入りです。スウィングしたくなるようなグルーヴ感もさることながら、ベロシティが丁度好いと言いましょうか、耳に飛び込んでくる音の均整にイヤガズムを覚えます。
そもそもブラスが取り入れられていること自体に好感触で、このサウンドスケープはチアオンリーというよりは、吹奏楽やブラスバンドも含めた「応援団」を意識したものだと推測しますが(この点では振り返りのに書いた「応援のファクター」も参考になるかも)、仮にチアだけでビートメイキングを行おうとすると、リズムはクラップとホイッスルで取る発想になると思うんですよね。
クラップを外す選択は流石に王道から逸れてしまうからか、本曲もA裏に限らず随所で効果的に取り入れられていますが、メインに据える気鳴楽器に関しては、ブラスをチョイスしたことが功を奏していると分析出来ます。補足ですが、ホイッスルはホイッスルでその役割がきちんと活かされる場所に配置されており、フックやサビ前の”Jump up Cheers!”を含むパートや、サビ後半の”ファイト”から続く部分など、αのセクションでしっかりと鳴り響いています。
メロディ面ではサビの”We are Cheers let’s go!”が、一度目は上昇/二度目は下降のラインになっている対比が素敵です。前者は期待通りのポップさが心地好く、”(Fufu!)”が自然に出てこれる流れを形成している点がキャッチーで、後者はここで翳った旋律に変化する意外性と、このタメによって”ファイト”以降の盛り上がりが一層映える音運びとなっているところが技巧的で、それぞれ楽想上の意味は大きいと見ています。
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続けて同作のED曲、同じく神ノ木高校チアリーディング部による「One for All」(2018)をレビュー。曲から受ける印象には「切ない系」の向きもあるのですが、上掲のED映像も込みで「可愛い系」での紹介とします。
トラックメイキングを手掛けたのは本田正樹さんで、個人的には『Tokyo 7th シスターズ』の関連楽曲で既にファンだと言えるクリエイターです。当ブログで初めてお名前を出したのは(「SHAKE!! ~フリフリしちゃえ~」の項)にてですが、それより前の『ナナシス』記事でも氏のワークスを絶賛していて、、、と、お気に入りが多くあります。
このように既知の楽曲はそれなりにあれど、作曲家像を描写するにはサンプル数が少ないため(『冴えない彼女の育てかた♭』のED曲や『信長の忍び~姉川・石山篇~』の主題歌も知ってはいますが)、あくまでもその一端を記すのみとなりますが、繰り返し聴きたくなるような中毒性を残すことに長けていらっしゃるイメージです。
本曲で言えば、サビとそれに続くコーラスパート(”We can do it now,”~)自体のノリの良さもそうですが、そこから何処となく90年代風の趣があるシンセリフ(e.g. 1:28~1:41)に移行して、これがサビメロを変形したものであることによる連続性でもって、止め時を逸してしまう感覚を「中毒性」と形容しました。共感を得られるかはわかりませんが、エクササイズに使われる楽曲のような反復的なグルーヴが気持ち好いと換言しても構いません。
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ここからは「中身の濃いレビューには発展させられそうにない曲」をまとめて紹介します。こう書くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、スペースを作ってまで紹介しようと思うくらいにはお気に入りの楽曲群であることに留意してください。「発展させられそうにない」のは、僕の技量不足&時間不足によるものです。
1,286円
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『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』3rd ED曲・SILENT SILEN「Go Way!」(2018)。振り返りのでは同作のOP曲をレビュー済みで、簡単にではありますが作品評はそちらに載せています。
本曲はED映像も込みで、子供サイドのヒロイン(?)であるJSユーチューバー・上田アズサがメインで扱われているため、普段の作品内容からすると異質なナンバーかもしれません。ゆえに「可愛い系」での紹介となるわけですが、CVを務めている竹達彩奈さんによるものではなく、サイサイの楽曲を持ってきたことも意外だなという感想です。
サイサイは今までにも幾度か聴いてみようと思ったことはあったものの、何となく機会を逸し続けてきていたので、音源でまともに聴いたのは本曲が初だったのですが、こんなに甘い声&歌い方だったっけ?と予想外に感じました。浅いリスナーの意見と流して結構ですが、言葉を選ばなければ「媚び媚び」と形容出来るほどのボーカルの質が、アズサのキャラクターとマッチしていたため、悪くないタイアップだったと思います。
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2,461円
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『ソラとウミのアイダ』キャラクターソング・ルビー・安曇(CV:井上ほの花)「Bad Vinny & Martian」(2018)。後の記事で取り上げますが、同作のOP曲目当てで手を出した上掲のボーカルソング集の中では、本曲に光るものを感じました。2分に満たない短いトラックなんですけどね。
便宜的にルビーのキャラソン扱いにしましたが、曲名が示しているように、正確には劇中劇の主題歌としたほうが据りがいい内容です。詳しい設定は失念しましたが、確か怪盗モノのアニメだと説明されていた気がするので、サウンドやメロディラインには王道の格好良さが宿る仕上がりとなっています。
しかし井上さんの声質のキュートさと、コーラスというか合いの手の力の抜け加減が絶妙で、「カラオケで盛り上がった感」が醸されているところが好きです。中でもクセになるのは、”(びっくりだ~)”、”(かわいい~)”、”(昭和か~?)”あたり。ネームバリューによる贔屓目も少しありますが、流石広井王子さんによる作詞です。
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1,170円
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『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』OP曲・ピュアリーモンスター「Secret Story」(2018)。ある意味では話題となったアニメですが、残念ながら僕は途中で切ってしまいました。しかし主題歌は良さげだった記憶があったのと、本記事のメインで取り上げた楽曲のレビュー中に記した、「[ちゅ]を活かした楽曲」の補足に使えるので、ついでに紹介しようという選曲理由です。
”(Chu Chu I LOVE YOU Chu Chu)”と、ダイレクトにキスにつながる[ちゅ]の利用が認められますが、ラブコメ作品の主題歌であることと、声優アイドルグループによるナンバーであることを考慮すれば、この上なく適切な可愛いアウトプットだと評せます。サビの歌詞も”好き好き大好き!! 世界一好き!!”で始まる直球さで、続く”ホントは大声で叫びたいよ”で一歩引いてはいるものの、ここまで振り切っていると恥ずかしさは些細なこととして奥に押しやられしまうのかもしれませんね。
こうして改めて聴くと、表面的な可愛さの裏に味わい深さのある良い曲だなと感じたのですが、クレジットを見て作編曲がno_myさんだとわかり納得しました。当ブログに於ける氏のワークスについては、とに言及があります。
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以上、【’18秋アニメ・アニソン(可愛い系)編】でした。過去の【(可愛い系)編】も似た傾向にありますが、ぱっと聴いた印象が可愛いものでも、その中に格好良さや切なさを見出すとそちらを優先しがちになるので、結果として「可愛い系」での紹介曲数は少なくなりますね。
「竹達彩奈」に学ぶプロジェクトマネジメント
彼女の奏でるマスロックが心地よいですね~
Yvette young(イヴェット・ヤング)
【ソロ活動名義(本名)】Yvette young(age27・アメリカ人)
【バンド名】Covet
【活動拠点】カリフォルニア州サンノゼ
【職業】マルチアーティスト(ギタリスト/作曲家/イラストレーター)
【楽器】ギター(10代後半~)/ピアノ(4歳~)/バイオリン(7歳~)
【ギター奏法】独学でのフィンガー+タッピング奏法
【ジャンル】マスロック(変拍子構成で変則的な不協和音が特徴)
【WEB配信拠点】コチラをクリック⇒
【解説】 幼少期にクラシック英才教育を受ける。高校時代オーケストラ所属しており訪日演奏したことがある。卒業後は自身の音楽を追及していく過程でYoutubeでの技巧的ギター演奏動画が脚光を浴び彼女の存在が世に知られ現在に至る。
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TVアニメ第3期
デート・ア・ライブIII(DATE A LIVEⅢ)
2019年1月11日(金)から放送開始されますね!
ハーレム&キャラ萌えできるバトル系作品です♪
【あらすじ】
謎の生命体・精霊の出現により起こる大災害・空間震が発生するようになって約30年が経った世界、五河士道は「自らに心を開いた精霊にキスをする事で、その力を封印し無力化する」能力を有しており、それを事前に把握していた組織・ラタトスク主導の下、「精霊とデートして、デレさせる」という前代未聞の形で、世界と精霊両方を救う使命に身を投じていく―
【原作ラノベ】
著者;橘公司(たちばなこうし/age32)
本編:既刊19巻/短編(アンコール):既刊8巻
【アニメ版】
デート・ア・ライブ
(全12話/2013年4月~6月/AIC PLUS+制作)
デート・ア・ライブII
(全10話/2014年4月~6月/プロダクションアイムズ制作)
劇場版デート・ア・ライブ 万由里ジャッジメント
(72分/2015年8月22日公開/プロダクションアイムズ制作)
デート・ア・ライブIII
(2019年1月放送開始/J.C.STAFF制作)
【第3期主題歌】
OP「I swear」 sweetARMS
ED「Last Promise」 山崎エリイ
期間限定(2019/1/12)でsweetARMSの神曲なのにちょい残念なMVフルverが配信されてますねw
コチラをクリック ⇒ 1期OP
コチラをクリック ⇒ 2期OP
1期OP「Date A Live (デート・ア・ライブ) 」sweetARMS/Nightcore版
※Nightcoreとは原曲のテンポを高速化してリミックス化した音楽ジャンルの総称
【キャスト】
※ラノベ・TVアニメ・劇場版アニメの主要キャラ抜粋
●五河士道(いつかしどう)
CV.島﨑信長/主人公。
●崇宮澪(たかみやみお)
第0精霊。始原(原初)の精霊。
●鳶一折紙(とびいちおりがみ)
CV.富樫美鈴/第1精霊。識別名「エンジェル」。
対精霊部隊「AST」隊員。メインヒロインの1人。
●本条二亜(ほんじょうにあ)
第2精霊。識別名「シスター」。
●時崎狂三(ときさきくるみ)
CV.真田アサミ/第3精霊。識別名「ナイトメア」。
狂気とデレの時崎狂三ちゃんはヤバすぎです♡
●四糸乃(よしの)
CV.野水伊織/第4精霊。識別名「ハーミット」。
●五河琴里(いつかことり)
CV.竹達彩奈/第5精霊。識別名「イフリート」。士道の義理妹。14歳。
●星宮六喰(ほしみやむくろ)
第6精霊。識別名「ゾディアック」。
●七罪(なつみ) ※3期新キャラ
CV.真野あゆみ/第7精霊。識別名「ウィッチ」。
●八舞耶倶矢(やまいかぐや)
CV.内田真礼/第8精霊。識別名「ベルセルク」。
●八舞夕弦(やまいゆづる)
CV.ブリドカットセーラ恵美/第8精霊。識別名「ベルセルク」。
※八舞耶倶矢と八舞夕弦、元々は「八舞」という1人の精霊だったが2人に分裂して現在に至る。
●誘宵美九(いざよいみく)
CV.茅原実里/第9精霊。識別名「ディーヴァ」。
●夜刀神十香(やとがみとおか)
CV.井上麻里奈/第10精霊。識別名「プリンセス」。メインヒロインの1人。
●万由里(まゆり)
CV.雨宮天/劇場版オリキャラ。
【組織名】
●ラタトスク機関
精霊との対話による空間震災害の平和的な解決を目指して結成された秘密組織。
●AST(アンチ・スピリット・チーム)=対精霊部隊
精霊を武力によって殲滅することを目的とした日本陸軍所属特殊部隊の総称。
●SSS(スペシャル・ソーサリィ・サーヴィス)
イギリス陸軍所属の対精霊部隊。
●DEM社(デウス・エクス・マキナ・インダストリー)
イギリスに本社を置く世界屈指の大企業。
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